2007.11.30
10月の消費者物価-「悪い物価上昇」への警戒強まる
エネルギー・食料価格の上昇が物価水準全体を押し上げるまでに上昇してきました。
<消費者物価>0.1%上昇 需要増伴わず景気下押しの公算
総務省が30日発表した10月の全国消費者物価指数(05年=100、生鮮食品を除く)が100.5となり、前年同月比で0.1%上昇した。上昇は10カ月ぶりで、原油高を背景としたガソリンなど石油製品の大幅な値上がりが後押しした。ただ、エネルギー関連を除くと物価水準はマイナス圏内のままで、民間シンクタンクの多くが、「個人消費や企業収益の悪化の要因となる“悪い物価上昇”だ」と評価している。指数は、今後さらに上昇率が高まる見通しだが、その分、景気が下押しされる可能性が高い。デフレからの脱却を長年目指してきた日本経済にとって物価上昇は本来、経済が正常な状態に戻るサインとして歓迎されてもおかしくない。しかし、今回の上昇を「デフレ完全脱却に近づいた」と評価する声はほとんどない。消費者物価指数の上昇率0.1%を分析すると、エネルギー関連の寄与度が0.14ポイントと突出している。市場では、今回の物価上昇は原油高という海外発のコスト上昇圧力でかさ上げされたもので、賃金の上昇による消費支出の増加など「国内の需給改善に起因したものではない」(みずほ証券)と受け止められている。ガソリンや灯油は11月も大幅に上昇したほか、12月も値上げが見込まれており、消費者物価指数の上昇幅は今後さらに大きくなりそうだ。主要民間シンクタンクの予測によると、11月の全国消費者物価指数は前年同月比0.3~0.4%の上昇となる見通しで、上昇率は来春にかけ、「0.7~0.8%程度にまで拡大する可能性がある」(第一生命経済研究所)。一方で、賃金・ボーナスの低迷は続いており、家計の収入増が伴わない以上、原油高による物価水準の押し上げは、可処分所得の減少や消費意欲の悪化を招きかねない。企業収益の圧迫による設備投資、雇用への悪影響も懸念される。大田弘子経済財政担当相は30日の閣議後会見で石油製品などの値上がりで「消費者心理や中小企業の収益への悪影響が強まらないか、注意が必要だ」と述べ、“悪い物価上昇”に警戒を強める姿勢を示した。(毎日新聞11/30)
個別にみると、石油製品は前年比2.3%の上昇で、電気ガス代などのエネルギーも前年1.8%の上昇です。食品も全体的に値上がり傾向ですが、特に生鮮果物が8.3%、生鮮野菜が4.1%と大幅な上昇、油脂調味料なども1.7%も上昇しています。その他、交通費、交通費、家事用雑貨・消耗品など上昇は広がりつつあります。それでも全体の指数があまり上昇しないのは、家庭用耐久財▲6.3%、教養娯楽用耐久財▲14.5%の2分類が極端に下落しているためです。「家庭用耐久財」とは電気冷蔵庫や電気洗濯機やルームエアコン等で▲10~▲16%の下落率、「教養娯楽用耐久財」とは薄型テレビやパソコン・デジカメ等で前年比▲20~▲30%の下落率となっています。
家庭用耐久財と教養娯楽用耐久財が大幅下落となる理由
電化製品やハイテク製品は、恒常的に「デフレ」となってしまいます。この理由として、1つには「高額の高機能品を市場投入し量産化とともに価格を下落させて普及を図る」という商品のライフサイクルがありますが、このサイクルが短縮傾向にあることが挙げられます。
もう1つは、物価指数の「指数算式」という、統計計算上の便法によるものです。、パソコンが同じ台数で同じ単価で売っていたとしても、性能が向上すれば、それを単価が下がったと見なした上、指数に対する構成比率も高まっていきます。CPU、メモリー、ハードディスクといった電子デバイスは未だに凄まじい性能向上が続いており、これを「デフレ」と見なすならば、「デフレ」を止めるには新製品の開発も性能向上も中止すればよいことになってしまいます。経済学者は技術の進歩ということを念頭におかずにモデル化してしまったのでしょうか。



家電の価格については、5~6年前ディスカウント店を中心に韓国製等の家電を安売りしていましたが、あのころが単純安売競争のピークだったように思えます。結局、メンテナンス体制の不備とか消費電力が多いとか様々な理由がありますが、ただ安いだけでは日本の消費者に根付かせることはできませんでした。その後、家電の値下げ競争一辺倒の動きは一段落し、現在は高機能化と省エネ性能の競争に移っております。




































































