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2007.12.11

景気底割れ-スタグフレーション懸念の台頭

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昨日は11月の景気ウオッチャー調査、本日は11月の消費動向調査の結果が発表されました。何れも非常に悪い内容で、個人消費の観点からは、完全に景気悪化局面に入ったと判断できます。

11月の景気ウオッチャー調査

街角景気、8カ月連続悪化=回復の実感「極めて弱い」-11月調査
内閣府が10日発表した11月の景気ウオッチャー調査によると、3カ月前と比較した街角の景況感を示す現状判断DI(指数)は前月比2.7ポイント低下の 38.8と8カ月連続で悪化し、2003年5月以来4年6カ月ぶりの低水準となった。横ばいを示す50を下回ったのも8カ月連続。原油高や住宅着工戸数の落ち込みが響いたためで、内閣府は総合判断を「景気回復の実感は極めて弱くなっている」と2カ月連続で下方修正した。調査は街角の景気に敏感な小売店主やタクシー運転手らを対象に実施。現状判断DIは、家計、企業、雇用の全部門で悪化した。(時事通信12/10)

景気の先行き判断DI指数は、今年5月まで景況感の均衡点の50台で推移していましたが、8月46.5→9月46.0→10月43.1→11月38.8と地滑り的に悪化しています。内閣府は未だ「景気回復」と判断していますが、今夏以降、既に景気後退期に入っているのはデータ上明らかでしょう。
H1911景気の先行き判断DIの推移
調査結果の内容を読むと、やはりガソリン・灯油等燃料費高騰への悲鳴に近い声が目立ちます。観光業・娯楽産業がかなり苦戦の様子です。今回特に目立ったのが職業安定所が悪化を示している点です。影響は雇用にも波及してきたようです。

各職業安定所でのコメント(11月景気ウオッチャー調査より)

  • ◆北海道:年末に向かって、企業整理が発生する恐れがあり、予断が許されない状況である。
  • ◆東北:事業主の新規求人への意欲が低下し、前年同月比14.7%、532 人減となっている。新規求人数の減少傾向はここ数か月続いており、今のところ好材料はない。
  • ◆東北:小規模ではあるが事業所閉鎖、自己破産手続き開始などでの離職者が目立つようになってきており、今後も増加が予想される。
  • ◆北陸:業績が悪いため、改善が望めない部門を縮小したり、廃止する企業が多い。
  • ◆近畿:窓口では、ガソリンなどの値上げによる直接的な反応はみられないものの、求人申込数からは景気が調整期に入った感がある。
  • ◆四国:求人事業主からは、原油高騰に伴う原材料高により、経営が非常に厳しくなっているという話が多数聞かれる。
  • ◆九州:前月以降、新規求職者数が前年を上回っている。石油や原材料高騰の影響を受け、非常に厳しい業種もあるようで、機械器具製造業で事業所を閉鎖したという事例もあり、今後は悪くなる。

11月の消費動向調査

消費者心理「悪化」に下方修正=態度指数、4年ぶり低水準-11月調査
内閣府が11日発表した11月の消費動向調査によると、消費者心理の明るさを表す消費者態度指数(一般世帯)は、前月比3.0ポイント低下の39.8と2 カ月連続で落ち込み、2003年12月以来約4年ぶりの低水準となった。ガソリンや生活関連商品の値上げが響いたためで、内閣府は基調判断を「弱含み」から「このところ悪化」に下方修正した。判断引き下げは2カ月連続。また、1年後の物価見通しでは「上昇する」との回答が5.9ポイント増の82.2%を占め、調査を開始した04年4月以降の最高を更新した。物価高の見通しが強まったことは、今後の消費動向に影響を与えそうだ。(時事通信12/11)

消費動向調査は、「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4つの意識指標で構成されますが、前月に引き続き全4指標とも前月比で下落しています。特に11月は前月比で▲3ポイントも低下しており、景気の悪化のスピードは想像以上に急激で、憂慮すべき事態です。
H1911消費者態度指数
1年後の物価上昇を予想している人は82.2%で、調査開始以来最高の数値を示しています。給与が上がらない一方で、税・社会保険負担が毎年増え、可処分所得が減少している現状では、物価高への拒絶感は相当高いのも当然です。今回の物価上昇は、生活必需品が大幅に値上がりしておりますので、低所得者ほどインパクトが大きいでしょう。

スタグフレーションの懸念

スタグフレーションとは、大まかに言えば景気停滞下でインフレが生じることです。単純なインフレなら、消費財が値上がりしても雇用を通じて給料も上昇しますので、経済への影響は緩和されます。スタグフレーション発生のメカニズムには様々な説がありますが、例えば、マネーは多数の人間の手から一極に集中しますが、多数の消費者からに雇用を通じてマネーの還元がなされず、消費を減らさざるを得ず慢性的な需要抑制状態に陥ります。その一方で1極集中したマネーが資源バブルを引き起こし、最終消費財が高騰しスタグフレーションが発生してしまいます。米国経済のスタグフレーションの可能性について懸念する経済関係者は結構多いのですが、個人消費が脆弱な日本の方がスタグフレーションのリスクが高いのでないかと憂慮します。

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