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2007.12.17

米経済さらなる減速へ-リセッション確率50%+スタグフレーション

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FRB議長を退任してから非常に饒舌になったグリーンスパン氏ですが、リセッション懸念(確率5割)に加えて、スタグフレーションについても言及しはじめました。

グリーンスパン氏:米リセッション確率「明らかに高まっている」-NPR
グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は13日、ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)とのインタビューで、米経済のリセッション(景気後退)入りの確率は「明らかに高まりつつあり」、成長は「失速状態に近づいている」との見方を示した。NPRのウェブサイトによると、グリーンスパン氏は、リセッションが訪れるかどうかを判断するには時期尚早だが、「その確率は明らかに高まりつつある」と語った。米経済専門局CNBCはこの日先に、グリーンスパン氏が米リセッションの確率を50%とみていると報じていた。ワシントンでの昼食会で同氏が語った内容に詳しい人物の話として伝えた。グリーンスパン氏は住宅危機についてNPRに、「最終的には自ずから沈静化するだろう」と述べた。また、世界的な資金余剰のために米金融当局は「長期金利と物価押し上げ圧力や住宅市場を動かす力をコントロールする能力を事実上失った」と語った。(ブルームバーグ12/14)

米経済、スタグフレーションの初期兆候=グリーンスパン氏
グリーンスパン前米連邦準備理事会(FRB)議長は16日、ABCテレビの番組で、国内経済について、景気が低迷すると同時に食品とエネルギー価格が高騰するというスタグフレーションの初期兆候を示しているとの見解を示した。グリーンスパン氏は、低インフレは経済成長の大きな寄与要因で、物価は抑制される必要があると指摘した上で「スタグフレーションに陥り始めてはいないが、初期症状が見られる」と述べた。さらに「基本的にはインフレは抑制されなければならない。FRBがインフレ率抑制のために必要なことを政治的に行えるようにすることは極めて重要である」と述べた。国内経済がリセッションに陥る可能性は50%に上昇したとの見解をあらためて示したが、米企業の抱える債務水準は良好なので、クレジット状況のタイト化の影響を和らげると指摘した。(ロイター12/17)

リセッション・スタグフレーションについて言及しているのはグリーンスパン氏だけでなく、サマーズ元米財務長官やNBER所長のフェルドシュタイン教授など相当数の経済関係者が警告しております。

フェルドシュタイン教授:米リセッション入りは「簡単」-消費減速なら
ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授は14日、米住宅価格下落を受けて消費者が支出を控えれば、米経済は来年「簡単に」リセッション(景気後退)入りするとの見方を示した。米経済の拡大・収縮を判断する全米経済研究所(NBER)の所長を務めるフェルドシュタイン教授はインタビューで、景気収縮の確率は「ほぼ50%」との見方を示した。さらに、リスクは「明らかに高まっている」との認識を示した。フェルドシュタイン教授はマイナス成長とインフレ加速が同時に起こる「スタグフレーション」の恐れもあると指摘した。この日発表された11月の消費者物価指数(CPI)は2年余りで最大の上昇だった。フェルドシュタイン教授は「インフレ率は望ましい水準を若干上回っている」と指摘。ただ、「1970年台末のような激烈な高インフレ環境に戻ってはいない」と述べ、米経済がスタグフレーションに向かっていると言えるかどうかは、 スタグフレーションという言葉の「定義次第だ」と付け加えた。グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長やローレンス・サマーズ元米財務長官も米リセッションの見通しを強めている。フェルドシュタイン教授は、「鍵は消費者だ」として、消費者が大幅に貯蓄を増やし支出を控えれば、「米経済は簡単にリセッション入りするだろう」と語った。フェルドシュタイン教授はまた、利下げや銀行システムへの資金注入は景気対策として十分ではないとして、来年も景気の弱さが続くようであれば時限措置としての減税など財政による支援が必要になるだろうとの考えを示した。同教授は「米金融当局は、信用市場が正常に機能していないという非常に難しい状況を乗り切ろうとしている」が、「金融当局の持つ手段は限られていると思う」と述べた。また、ドル相場は「米貿易赤字を縮小させるためにさらに大幅に下落する必要がある」との見解を示し、ドル安は2008年の米経済にプラスだとして「米経済の勢いは純輸出に頼る部分が大きくならざるを得ないだろう」と論評した。 (ブルームバーグ12/15)

米国経済がリセッションに陥るか否かの鍵は個人消費と雇用次第のようです。今後投資を続ける上で、消費と雇用の指標が重要になりそうです。
さらに、IMFも経済成長見通しを引き下げを検討しています。10月にも一度引き下げましたが、世界経済全体でも減速感が止まらないようです。

世界経済成長見通しを引き下げへ=IMF首席エコノミスト
国際通貨基金(IMF)のジョンソン首席エコノミストは、クレジット危機が引き続き、米国と欧州の経済成長を損ない、世界経済の不均衡も成長を抑制するとして、IMFが世界経済成長見通しを引き下げることを明らかにした。15日付のスイス経済紙とのインタビューで「この背景により、成長率の数字は最新のIMF世界経済見通しのものより弱いものになる」と述べた。IMFはすでに10月、7月時点の世界経済見通しを引き下げている。ジョンソン氏は「2008年の経済成長率見通しについて米国の1.9%と欧州の2.1%を堅持することはできない。どの程度見通しを引き下げる必要があるかは1月に明らかになる」と述べた。(ロイター12/17)

世界のGDP

世界・米国・日本のGDP推移
2000年まで、世界のGDPは世界一の経済大国アメリカと世界2位の経済大国日本の動向にほぼ連動してきました。2000年以降も、両国がベースを形成し、それに新興国の超過成長率が加算しているような動きです。日米のGDPを合成するとより明瞭になります。
世界と日米のGDP対比
上記グラフは米国GDP成長率に日本GDP成長率の1/2を単純に加算したものです。日米経済は、80年代には世界経済の強力な推進エンジンでしたが、90年代以降は推進力にも陰りが生じています。2000年以降は若干退潮気味と言えます。しかし、新興国経済、特に中国が2桁成長を続けていると言っても、未だ日米両国の補完的な立場に過ぎず、世界経済全体を牽引するするには現時点ではまだまだ役不足のようです。両国がリセッションに陥った場合、やはり世界経済も多大な影響は避けられないでしょう。

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