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2007.12.19

大競争に疲弊する中小企業-増え続ける企業倒産

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マスコミ等では「企業は景気が良い」との報道ばかりで、大型倒産のニュースもほとんど見かけません。しかし、水面下では倒産件数が徐々に増加傾向を強めております。

07年倒産 4年ぶり高水準 11月、原油高などで11%増
民間信用調査会社の東京商工リサーチが12日発表した11月の全国の企業倒産(負債総額1000万円以上)件数は、原油高の影響などで前年同月比11.1%増の1213件と、8カ月連続で前年水準を上回った。負債総額も11.5%増の4925億円で2カ月ぶりに増加に転じた。この結果、1~11月の累計の倒産件数は前年同期比7%増の1万2994件に上った。年間でも2年連続で前年を上回ると同時に、2003年以来、4年ぶりに1万400件台に達するのが確実な情勢となった。負債総額も11月までの累計が5.8%増の5兆2886億円となり、7年ぶりに前年(5兆5005億円)を上回る可能性が高まった。11月の倒産件数が1200件を超えるのは5年ぶり。公共工事の削減の影響で建設業の倒産が増加していることや、原油高の高騰に伴う燃料・原料高が収益の圧迫要因となり、製造業の倒産が増えていることが全体の件数を押し上げた。11月の建設業の倒産は29.6%増の359件。1~11月の累計では5.3%増の3708件で、年間では2004年以来、3年ぶりに4000件台に乗せる可能性が濃厚になった。建築基準法改正に伴う建築確認申請手続きの厳格化で、急激な住宅着工の減少の影響も懸念されているが、法改正に関連した11月の倒産は9件(累計15件)にとどまった。ただ、同社は「影響は年明け以降から本格化する見込み」としている。一方、11月の製造業の倒産は7.3%増の176件。同月までの累計では9.7%増の1876件で、すでに年間ベースで6年ぶりに増加に転じている。(フジサンケイビジネスアイ12/13)

倒産件数は、2005年以降上昇に転じております。この間、負債総額はほぼ横ばいですので、中小・零細企業の倒産が増えていると推測できます。中小・零細企業の場合、法的整理を行うケース(破産手続きにも多額の経費が必要です)の方が少ないです。大半の場合、少数の債権者と話して任意整理・私的整理を行ったり、あるいは債務や税金を返済ストップして倒産状態のまま放置するケースがほとんどです。従って、実際の廃業数はもっと多くなります。
倒産件数の推移(年計)
上場企業が空前の利益を計上する一方で、中小企業の淘汰は続いていました。大企業は全企業巣の0.3%に過ぎませんので、企業においても格差社会は進行していました。

今後、倒産の拡大が予想される業界

今後、最も苦境が予想される業界は、なんと言っても建設業でしょう。公共事業の減少で既に体力が底をついている状態ですが、さらに建築基準法改正の影響がこれから顕在化します。

県建設業協会:会員、6割余に激減 「大半は倒産か廃業」--96年度比 /三重
社団法人・県建設業協会(田村憲司会長)の会員が激減していることが17日、分かった。最多で894社(1996年年度末)あった会員数は、今年12月には6割余の561社に減少した。同協会は「減少した大半は倒産か廃業」としており、深刻な状況。公共事業の減少に加え、業者間の過当競争が追い打ちをかけた形となっており、目下のところ有効な手だては見いだせていないという。同協会によると、県内12支部の会員数は1984年度末が831社、89年度末が856社、93年度末が870社、98年度末が882社と順調に増加した。ところが、2003年度末に685社に落ち込み、さらに今年は協会として整備されて以降、最少の会員数となった。会員数の増減は、公共事業の予算額とほぼ比例する。県によると、県土整備部、農水商工部、環境森林部の3部合わせた公共事業予算は1989年度が1378億円、93年度が1657億円、98年度が1843億円、2003年度が1151億円、06年度が1101億円だった。最も多かったのが、1996年度の2008億円で、この数字は県建設業協会の会員が最多だった年と一致する。建設業界の盛衰は、公共事業に全面的に依存する状況が如実に示された格好。ここ数年公共事業予算が激減したため、ある大手業者は「何とか持ちこたえてきた業者も、ギブアップせざるを得ない事態になった」とみている。同協会は12月定例県議会に、不当なダンピングをもたらしたり不良・不適格業者の参入を招く「予定価格の事前公表の廃止」と「最低制限価格の引き上げ」を求めた請願を提出するなど、業界を取り巻く環境改善に躍起となっている。かつては「談合の巣窟」と揶揄されるなど、何かと批判の多かった業界だが、「今はそんな余力は残っていない。今日明日を生きるのに必死」(大手業者)と明かす(毎日新聞三重版12/18)

バブル崩壊後も順調に業容を拡大していたパチンコ業界も淘汰の嵐にさらされています。貸金業者の淘汰に加え、国のギャンブル性低減指導(本当はギャンブルそのものが違法ですが)、全国規模業者(マルハン、ダイナム等)進出による競争激化等により、全国的にパチンコホールの倒産・廃業が相次いでいます。

機種変更 負担重く 中小パチンコ倒産増 九州 負債額、前年比6倍
九州で中小のパチンコ店運営業者の経営破たんが増えている。信用調査会社の帝国データバンク福岡支店(福岡市)によると、今年の九州の倒産件数(10日現在)は前年比4件増の8件、負債額は同6倍の152億円。ギャンブル性が低い機種への変更に伴う経費負担の増加などが背景にある。倒産した企業を県別に見ると、福岡県4件、熊本県2件、長崎・大分県が各1件だった。特に数店舗を運営する地場中小業者が目立った。パチンコ業者は10月から、国の指導でギャンブル性が低いスロット機の導入が迫られた。特に中小業者ほど入れ替えの負担が大きくなった。さらに、全国準大手の倒産で、機種リース会社や銀行が取引条件を厳しくしたことも業界の資金繰りを悪化させているという。消費者金融が貸出先の見直しを進めており、それが、パチンコ利用者数の減少につながっているとの見方もある。帝国データバンクは「年末年始で売り上げを順調に伸ばせられなければ、中小業者の倒産はさらに増える」とみている。(西日本新聞12/12)

産地偽装・賞味期限改ざん問題に揺れる食品業界も今後倒産激増が予想されます。同業者の破綻をビジネスチャンスと考えられる経営者はほとんどいないでしょう。ただでさえ利益率が低い業界(だから偽装・改ざんに走らざるを得なかったと言えます)ですので、追加経費・設備投資負担と人件費増に耐えられる業者は少ないでしょう。

<産地偽装>中国産ダイコン使用発覚で「鹿児島漬物」倒産
原料の産地偽装が発覚した鹿児島県霧島市の漬物加工販売会社「鹿児島漬物」(末吉純孝社長)が鹿児島地裁加治木支部に自己破産を申請し、事実上倒産したことが分かった。信用調査会社によると、負債額は約4億円。鹿児島漬物は35年創業。ピークの92年4月期には約14億4700万円を売り上げたが、洋食化などで漬物の消費が減り業績が悪化。07年4月期の売上高は約3億8000万円まで落ち込んだ。さらに今年10月、中国産ダイコンなどで作った漬物を「鹿児島産」と偽装表示していたことが発覚。取引停止や小売店からの商品撤去が相次いでいた。自己破産の申請は今月14日。(毎日新聞12/19)

「悪いことを業者が倒産するのは当然だ」とする論調が主流だと思いますが、この傾向が極端に強まると善良な企業にまで負の影響を与えてしまいます。マスコミの極端なパージにより国内の食品産業が衰退してしまい、景気悪化の一因にでもなったら本末転倒でしょう。第2の建設業にならないか危惧するところです。

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