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2008.01.31

中国製ギョーザ中毒事件の衝撃-コストダウンリスクに直面する食品業界

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昨日から中国製ギョーザ中毒事件で全国が騒然となっています。全てのマスコミで繰り返し報道されています。

ドキュメント 中国産ギョーザ中毒
千葉県市川市で二十二日、中国産の冷凍ギョーザを食べた一家五人が下痢や嘔吐おうとの食中毒症状を訴えて入院、うち一人が重体となっていたことが三十日、分かった。県警は殺人未遂事件として捜査を始めた。
▽殺虫剤に使用の薬物検出
 千葉県市川市の食中毒事件で、県警は三十日、発症した五人が食べた中国産の冷凍ギョーザを鑑定した結果、殺虫剤に使われる有機リン系薬物「メタミドホス」を検出したと発表した。
▽兵庫・高砂でもギョーザで薬物中毒
 兵庫県警によると、中国産の冷凍ギョーザを食べた兵庫県高砂市の家族三人が吐き気などを訴え、ギョーザから有機リン系の薬物が検出されたことが三十日分かった。
▽JTフーズが輸入
 兵庫県警によると、有機リン系薬物が検出された冷凍ギョーザは、東京都品川区のジェイティフーズが輸入した「手包みひとくち餃子」。
▽中国では農薬に使用
 警察庁によると、中国産ギョーザから検出された有機リン系の「メタミドホス」は、中国で農薬に使われ、日本ではごく限られた研究所のみで使用されるものという。
▽被害者は計10人
 厚生労働省によると、中国産冷凍ギョーザによる食中毒とみられる患者は兵庫県で三人、千葉県七人の計十人でうち一人は重体。
▽原因商品はコープの「手作り餃子」
 千葉県によると、重い食中毒を引き起こしたのは、コープ冷凍食品の「手作り餃子」。
▽厚労省が販売中止を要請
 厚生労働省は三十日、中国産ギョーザを輸入販売していたジェイティフーズに対し、同一製品の販売中止と輸入自粛を要請することを決めた。
▽中国河北省の業者が製造
 厚生労働省によると、有機リン系薬物が検出された冷凍ギョーザは、中国・河北省の業者が製造。厚労省は在日中国大使館を通じて中国当局に通報した。
▽JT側が自主回収
 JTは三十日、食中毒を引き起こした子会社「ジェイティフーズ」販売の冷凍ギョーザを自主回収すると発表した。
▽回収は同じ工場製造の23商品
 JTが自主回収するのは、食中毒を引き起こしたギョーザ二種のほか、同じ工場で製造、市販されたロールキャベツなど六種、業務用のヒレカツなど十五種の計二十三商品。
▽製造過程かパッケージ包装時に混入か
 中国産冷凍ギョーザの食中毒事件で、千葉県警によると、ギョーザの製造過程かパッケージを包装する際に、有機リン系農薬が混入した可能性があるという。
▽有機リン系物質の検査せず
 JTによると、中国産ギョーザを輸入したジェイティフーズは、出荷時に細菌の検査は行っているが、有機リン系物質のチェックは実施していないという。
▽昨年10月に製造
 JTによると、食中毒を引き起こしたギョーザは、いずれも中国河北省石家荘市の「天洋食品」で昨年十月に製造された。
▽異臭の連絡2件 JT検査せず
 JTによると、昨年十二月から今年一月にかけて、消費者らから中国製ギョーザに異臭がするとの連絡がJT側と生協側に計二件あったが、化学物質の検査はしなかったという。
▽対象商品は全国販売
 ジェイティフーズによると、自主回収の対象となる二十三商品は、日本全国で販売されている可能性があるという。
▽中国の製造元が説明拒む
 【北京30日共同】中国製冷凍ギョーザの食中毒事件で、製造元とみられる中国河北省の「河北省食品輸出入集団天洋食品工場」の職員は三十日、共同通信の電話取材に「われわれの製品と証明できるのか」などとまくし立て、説明を拒んだ。
▽調査中と中国政府
 【北京30日共同】中国製冷凍ギョーザの食中毒事件について、中国輸出食品の安全性を主管する国家品質監督検査検疫総局の工業食品課は三十日、「今聞いたところで調査中だ」と述べた。
▽故意の混入は可能性低い
 中国製冷凍ギョーザの食中毒事件で、千葉県警は、有機リン系農薬が故意に混入された可能性は低いとの見方を示した。
▽中国側が調査の意向伝える
 厚生労働省によると、中国の国家品質監督検査検疫総局は三十日、中国製冷凍ギョーザによる食中毒について「調査する」との意向を同省に伝えた。
▽過去にも農薬検出
 日本生活協同組合連合会は三十日、過去にも中国河北省の天洋食品製造のギョーザから微量の有機リン系農薬が検出されていたことを明らかにした。
▽中国から別々の船で搬入
 厚生労働省によると、兵庫県と千葉県で食中毒を起こした冷凍ギョーザは、中国の天津港から別々の船で運ばれ、十一月上旬、大阪港と千葉港にそれぞれ水揚げされた。
▽中国製冷凍ギョーザは26トン輸入
 東京都によると、食中毒を引き起こした中国製冷凍ギョーザ二種の輸入量は計約二十六トン。(中国新聞01/30)

JTフーズのギョウザ現在のところ死者はでなかったようで最悪の事態は避けられたようです。但し、今回の事件による波紋は相当広範囲に及びそうです。
JTは今回の事件による被害額を7~8億円と試算しており、グループ全体の業績に与える影響は軽微と認識しているようです。食品業者としての責任・安全の面が疎かだったことは否めません。今のところJTの対応はまずまずですが、対応を誤るとJT食品部門は致命的な打撃を被る危険性があります。加ト吉の買収など豊富な資本力によるM&Aで売上は5000億円規模となり「日本の食品メジャー」を目指していましたが、今回の事件で一時後退となることは避けられないでしょう。

080131JTの株価
080131JTの日中足
株価は寄付こそ大きく下落しましたが、その後はほぼ戻しています。JT全体の業績に対しては影響が少ないことと、製造元の天洋食品から輸入していたのがJTフーズだけでなく影響が拡散したためでしょう。余談ですが、健康被害という点では「たばこ」の方が影響が大きい気がします。

中国リスク=コストダウンリスク

かなり以前から中国産食品・中国製加工食品については安全面で疑念の意見がありました。諸外国においても、対韓国ではキムチの鉛・寄生虫卵混入問題、対米国では鉛含有玩具問題などが報道されました。

中国製人気玩具から鉛、米で100万個リコール
米玩具メーカー、マテル社の子会社フィッシャー・プライス社は、塗料にが含まれているとして、中国製の幼児向け玩具約100万個の回収を始めた。米消費者製品安全委員会(CPSC)が1日、発表した。玩具は、日本でも人気のテレビ番組、セサミストリートのキャラクター商品を含んでおり、全米で発売されているという。CPSCによると、リコールされる玩具はプラスチック製の人形や車などで、塗料に規制以上の濃度の鉛が含まれていた。5月から約80製品、約96万7000個が販売されたという。リコールされる製品には、幼児向け人気テレビ番組セサミストリートのキャラクター、ビッグバードやエルモなども含まれている。鉛は過剰に摂取すると、鉛中毒を起こす恐れがある。中国製品をめぐっては今年に入り、ペットフードや魚介類、練り歯磨きなどから次々と有害物質が見つかっている。玩具では「きかんしゃトーマス」の塗料から同様に鉛が検出された。 (朝日新聞07/08/02)

いづれのケースも中国企業が製造して中国企業が諸外国へ販売するのではなく、諸外国の国内企業が中国に製造を委託し、その製品を輸入・販売していくケースが大半です。安全・品質管理を怠った中国企業を擁護する意思は毛頭ありませんが、発注者である販売会社・商社がコストダウンを優先する余り、安全・品質管理を軽視していなかったか気になるところです。度を超したコストダウンの追求も問題の背景にありそうです。「安かろう悪かろう」という言葉がありますが、安い価格のリスクを考慮すべき時期にきたのでしょう。

今後の影響

政治的には全く影響ないでしょう。中国はオリンピックを直前に控えて迅速に解決したいところで、日本は国内問題に手一杯です。日中協力して検査態勢を整える方向でまとまるでしょう。
販売現場は影響が長期化しそうです。しばらくの間、割安な中国産食品・中国製加工食品が卸小売から排除されますので、食品のインフレ傾向がさらに加速する恐れがあります。外食産業は食材の中国産忌避に加え、マクドナルドの残業代訴訟敗訴により人件費も高騰もありますので、さらに厳しい経営状態になるでしょう。

すかいらーく系全店、中国製食品の使用中止
全国にファミリーレストランを展開する「すかいらーく」グループは、エビフライなど中国で加工されたすべての食品について、全国の「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」など約3300店舗で使用を中止する方針を明らかにした。いずれも、今回問題になっている中国の「天洋食品」が製造したものではないとしているが、同社広報部は「中国製食品に対する消費者の不安感に配慮した」としている。(読売新聞01/31)

早速、すかいらーくが中国製食品の全面中止に踏み切りました。暫くこの流れが続きそうです。

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