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2008.09.29

東証2部ジェネシス・テクノロジーが倒産-上場後わずか2年半で破たん

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 東京証券取引所2部上場のジェネシス・テクノロジーが9月25日に民事再生法の適用を申請し、倒産しました。

 今年に入ってからの上場企業の倒産は、16社目です。

半導体テストハウス大手のジェネシス・テクノロジー、民事再生へ
 東京証券取引所第二部に上場している半導体テストハウス大手のジェネシス・テクノロジーが9月25日、民事再生手続きに入った。10月26日で上場廃止する。薄型ディスプレイ駆動ICなどの需要が落ち込んだことが原因という。
 ジェネシス・テクノロジーはアセンブリを含む半導体テストハウス事業を主軸としており、2006年に東証二部に上場していた。
 同社によると、2007年3月期にフラット・パネル・ディスプレイ駆動用ICの生産調整や価格下落などがあり、半導体テストハウス事業における受託数量や価格が低迷。この結果、売上高が減少し、赤字となった。さらに2008年3月期にはロジックICにおいても数量が減少し、業績が悪化したという。
 負債額は112億6400万円となる。今後はスポンサーを選定して再建を図る。なお、M&A案件を手がけるGCAサヴィアンをアドバイザリーに迎えたとのことだ。(毎日新聞09/25)


ジェネシス・テクノロジーの軌跡

 ジェネシス・テクノロジーは、国内大手の独立系半導体テストハウスです。
 所沢(埼玉県入間郡)・西脇(兵庫県西脇市)・九州(大分県速見郡)に工場を有し、半導体検査の受託サービスと液晶駆動用ICのアセンブリ、半導体設計事業を展開しています。

創業

 ジェネシス・テクノロジーは、神戸製鋼所、米メガテスト社他2社の合弁により、半導体テスターの販売事業および半導体テストハウス事業を目的として、1987年12月に設立されました。
 その後、1999年に神戸製鋼所の100%子会社となります。

半導体不況(ITバブル崩壊)

 2000年後半から、パソコンや携帯電話などの電子機器需要の低迷により半導体業界は「冬の時代」を迎えます。

 「ITバブル」の崩壊です。

 需要減少のピークは2001年で、半導体生産は前年比▲32%減、半導体設備投資に至っては前年比▲41.1%減という凄まじい状況となりました。

 本社の神戸製鋼所は半導体製造事業から撤退。
 ジェネシス・テクノロジーも売上が半減、損益も売上高の半分にも匹敵する巨額赤字に陥りました。

再編と業容回復

 2001年のITバブル崩壊以降、半導体関連企業の事業再編が本格化します。

 ジェネシス・テクノロジーも、2003年4月にMBOを実施し、神戸製鋼所の傘下を離れることになりました。

ジェネシス・テクノロジー、株式のMBO方式による譲渡について
 株式会社神戸製鋼所(以下神戸製鋼)と日興プリンシパル・インベストメンツ株式会社(株式会社日興コーディアルグループの100%子会社、以下NPI)とは、神戸製鋼の100%出資子会社であるジェネシス・テクノロジー株式会社(以下GTI)の株式の内 20,800株(発行済株式数の65%)を、4月25日(予定)に、NPIの100%出資特別目的会社(GTIホールディングス株式会社)に35億円で譲渡することに合意しました。また、本件譲渡と同時にGTIの既存の銀行借入はシンジケートローンによって全額借換えすることを予定しています。
 これによりGTIは、神戸製鋼の連結グループを離れ、独自の事業展開を追求する独立系半導体検査サービス会社として、更なる発展と将来の株式上場を目指します。
 なお、本件譲渡はマネジメント・バイアウト(MBO)であり、一定割合の株式がGTIの経営陣に譲渡されるとともに、神戸製鋼は第2位の大株主としてGTIの事業を引き続き支援します。(神戸製鋼所ニュースリリース03/04/22)


 2004年に、三菱マテリアル株式会社からプローブカード事業を譲受、さらに株式会社神戸製鋼所の半導体設計子会社のコベルコ・エルエスアイ・デザインと事業統合を行い、事業領域を拡大していきました。
 デジタル家電主導による半導体市況の回復により、同社の業績も回復基調となります。

 2006年3月に、直接東証2部へ上場しました。


業績の再悪化

 ジェネシス・テクノロジーの業績は上場したときがピークでした。

 上場した翌年度は赤字に転落し、翌2008年3月期には48億円もの大赤字決算となります。
 決算では「継続企業の前提に関する注記」を記載しています。

 同社の業績悪化の原因は、売上の急減です。

 同社の売上の6~7割は、大口4社からの受注によるものです。


 この大口顧客からの受注高の増減が激しく、同社の業績は安定しません。2002年3月期にも売上が半減し、34億円もの巨額赤字を計上したことがあります。

 2007年以降、デジタル家電・液晶パネルの価格下落が本格化します。
 当然、同社にもコスト削減圧力が強まっていきます。

遅すぎたリストラ

 ジェネシス・テクノロジーは業績の急激な悪化を受けて、ようやく本格的な合理化に着手しました。

 同社は5月に中期経営計画を発表。非主要事業であるプローブカード事業を他社(ヨコオ)へ売却し、工場を2拠点へ集約、社員も3割近く削減することになりました。

ジェネシス・テクノロジー,中期経営計画を策定
 ジェネシス・テクノロジーは,08~10年度における経営目標,数値目標を盛り込んだ中期経営計画を策定した。同社は,08年3月期において半導体テストハウス事業を中心として大幅な減収となり,2期連続して営業損失を計上する見込みとなっている。抜本的な対策を実施し,早期に黒字化を実現するとともに,市場環境が改善しない中でも利益を確保できる体質の構築を目指す。具体的には,高周波IC向けプローブカードについて他社へ事業売却することを検討。また,半導体テストハウス事業における現在の3工場体制を2工場体制に集約するとともに,人員および設備についても,集約に伴う生産性向上の反映,ならびに生産規模に応じた適正な水準への見直しなどにより,固定費の大幅な圧縮を図る。さらに,今後成長が期待できる製品分野(車載関連IC,白色LED用IC,電源などアナログIC,WL-CSP分野など)への取り組みを強化し,売上高の確保を図っていく。(セミコンダクターJapanNet05/08)


 しかし、市場環境の変化に対応するにはあまりに遅すぎました。合理化にも体力(資本・当座資金)が必要です。

 この間にも売上の減少が続き、資金が枯渇。
 自力再建は不可能になり、他者の支援を仰ぐため今回の民事再生法の適用申請となりました。

ジェネシス・テクノロジーの株価

 ジェネシス・テクノロジー株は今年に入ってからは、150~200円のボックスで推移していました。

 同社株は上場廃止基準(時価総額10億円)を、かろうじて守っていました。会社側による買い支えの可能性もあります。

 しかし、7月末に時価総額10億円のライン(136円)を割り込むと、株価は急速に下落していきました。
 短期間で2桁を大きく割り込み、上場廃止となるのは避けられない状況でした。

 倒産直前は、2円上がっていますが、出来高は8800株ですから、枯れ切った状態です。



 同社株を買った投資家は一度もいいことがありませんでした。

 最高値は、上場日2006年3月9日の2150円です。但しこれは瞬間値です。
 公募価格は2100円。初値も2100円ですので、公募組も初値買いの投資家も利益確定はほぼ不可能でした。
 あとは一貫して下げ続けていますので、デイトレーダーならともかく、この株で利益を得た一般投資家はほとんど存在しないでしょう。

わずか2年半の破たん劇

 巨額の投資が必要な割に、業績の浮き沈みが激しいのは半導体業界の宿命です。価格低下のペースも急激です。


 同社は、好調期に十分な利益の蓄積を行うことが出来ず、価格低下にも後手にまわってしまいました。。

 半導体関連事業を行うには、豊富な資金力と機敏な経営判断が必要ですが、同社の経営陣には両方とも欠けていました。

 それにしても、東証2部上場企業が、上場後わずか2年半で破たんです。

 上場後、一度も利益を出すことさえありませんでした。

 これでは、一般株主に損を押し付けるために上場したようなもので、経営陣は「無能」と言われても仕方ないでしょう。

参考書籍

 週刊ダイヤモンドの「倒産危険度ランキング」です。
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参考記事

08.09.26マザーズ上場のリプラスが破産-高レバレッジによる急拡大の果ての破綻

08.09.22ジャスダック上場のHuman21が倒産-建設・不動産恐慌(6)

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元社員です。株の公開に当たり多額のストック・オプションを得たのは殆ど神戸製鋼出身の無能幹部だけでした。一般社員もまた彼らの犠牲となったのです。まともな方針もなく現状維持すら出来ない酷い会社でした。

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