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2008.11.10

ジャスダック上場のダイナシティが倒産-建設・不動産恐慌(14)

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 ジャスダック上場のダイナシティが10月31日に民事再生法を申請し、倒産しました。

 今年に入ってからの上場企業の倒産は、27社目です。

ダイナシティ:民事再生法適用を申請、負債520億円
 不動産開発・販売のダイナシティ(ジャスダック)は31日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、即日受理されたと発表した。負債総額は520億7700万円。
 米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の影響で金融機関の不動産業向け融資が急減したため、取得した不動産を再開発して転売する「不動産流動化事業」が不振に陥った。
 主力事業の単身者・小家族向けマンション販売に経営資源を集中して再建を図ったが、新規の借り入れや既存債務の借り換えを金融機関に断られ、11月分の手形決済資金が調達できなくなった。(毎日新聞10/31)


ダイナシティの軌跡

 ダイナシティは、マンションディベロッパーです。
 同社は、専有面積が30~50平米の都市型コンパクトマンションの分譲が主体です。

 現在は撤退していますが、一時は不動産ソリューション事業(不動産再生事業)も主要事業でした。

創業

 設立は1994年9月で、当初の社名は中興建設株式会社といい、中山豊氏が代表取締役社長でした。但し実兄の中山諭氏が実質的創業者です。
 1997年から、自社ブランド「スカーラ」にてマンション分譲を行っています。

発展

 1999年7月に中山諭氏が代表取締役に就任し、名実共にオーナー経営者となります。
 1999年12月に、現社名の株式会社ダイナシティに商号変更し、2001年12月には、店頭公開を果たします。


 2004年には、創業10周年を契機にブランド戦略を一新。TVCM等により認知度がアップしたことから、商品ブランド名と社名の統合を図り、従前の「スカーラ」を「ダイナシティ」へと変更しました。
 さらに不動産私募ファンド「ダイナシティ ファンド・ワン」の立ち上げも行っています。

 積極的な事業展開により、業績も急拡大します。2001年3月期に約169億園だった年売上高は、2005年3月期には約506億円に達しました。

不祥事

 順風満帆だったダイナシティは、突然会社存亡の危機に見舞われます。

 2005年6月に、中山諭社長(当時)が、覚せい剤取締法違反により現行犯逮捕される事件が発生します。

ダイナシティ社長逮捕/覚せい剤所持の現行犯
 警視庁渋谷署は28日、覚せい剤取締法違反(所持)の現行犯で、ジャスダック上場の不動産販売会社「ダイナシティ」の社長中山諭容疑者(42)を逮捕した。
 調べでは、中山容疑者は同日午後、東京都渋谷区内で覚せい剤を所持しているところを逮捕された。(四国新聞社05/06/28)


 さらに同年8月には、同社子会社でゴルフ場経営会社「ダイナシティリゾート」前社長が強制いせつ容疑で逮捕されてしまいました。

 一連のダイナシティ幹部の不祥事で、同社の社会的信用は失墜。
 資金調達にも支障をきたし会社存亡の危機となります。

 同社は会社存続のため、ライブドアへの身売りを余儀なくされます。

 同社は、2005年12月にライブドアグループと資本・事業提携を行いました。
 ライブドアが同社株式(潜在株含む)の6割超を取得し、年明けには、新社長にライブドアの宮内取締役(当時)が就任し、堀江氏ら幹部5人も社外取締役となる予定でした。

ダイナシティ社長にライブドア取締役就任
 ダイナシティの社長に、ライブドア取締役でライブドアフィナンシャルホールディングス代表取締役会長の宮内亮治氏が就任する。2月7日の臨時株主総会後に開かれる取締役会で選任される予定。ライブドア社長の堀江貴文氏は、ダイナシティの社外取締役に就任する。現社長の中山豊氏は、代表権のない取締役副社長に就任する模様。
 ダイナシティは昨年12月8日、ライブドアのグループ会社であるライブドアファイナンスと、資本・事業提携に関する基本合意書を締結。12月13日には、ダイナシティ前社長の中山諭氏と中山豊社長が保有する全株式を、ライブドアグループへ売却していた。(住宅新報社06/01/10)


 しかし、2006年1月16日、ライブドアと堀江氏は、証券取引法違反の容疑で東京地検特捜部による家宅捜査を受けます。
 1月23日には、 堀江氏、宮内氏らが逮捕される事態となります。

新体制、そして破綻

 ダイナシティは、2006年8月に、ライブドアとの提携関係を解消し、インボイスの傘下に入ります。

インボイスGと資本・業務提携、ライブドアとの提携解消/ダイナシティ
 (株)ダイナシティは25日、インボイスグループとの間で、資本・業務提携契約を締結した。これに伴い、2005年12月より進められてきたライブドアグループとの資本・事業提携を解消する。
 インボイスグループは、連結子会社のインボイスRMとその子会社群によりプロパティマネジメント事業を展開しているほか、グループのジャパン・シングルレジデンス・アセットマネジメント(株)が不動産投資信託事業も手がけている。一方、ダイナシティは、大都市中心に、投資家向けコンパクトマンション分譲やソリューション事業を展開しており、両社の事業基盤を相互利用することで、他社との差別化、競争力の強化につながるとの狙いから、資本・業務提携に至った。
 資本提携は、インボイス100%出資によるインボイスパートナーズ合同会社が、ダイナシティが行なう新株引受権、新株予約権のすべてを公開買付け。これにより、インボイスグループは、ダイナシティの発行済株式数の88.1%を取得し、ダイナシティを連結子会社化。ダイナシティへ、取締役・監査役を派遣する。また、ダイナシティは、ライブドアグループの保有する新株予約権付社債191億円を、インボイスパートナーズ合同会社からの借入金により買入消却。同グループとの提携を解消する。
 一方、業務提携では、不動産分譲事業・管理事業・不動産ソリューション事業・オーナーに対する各種サービス事業・インターネット事業などを共同展開。シングル向けマンションにおけるトータルサービスの提供をめざしていく。(不動産流通研究所06/08/26)


 2005年から06年にかけて、不祥事に翻弄されたダイナシティですが、利益率は低いながらも、売上高は600億円を超えていました。


 但し、主力のマンション販売は2005年3月期をピークに頭打ちとなっています。同社の業容拡大は不動産ソリューション事業によるものでした。


 2007年3月からは、インボイスの木村育生社長自らダイナシティの代表取締役を兼任し、その後もインボイスグループの主要役員がトップに立って、経営の立て直しを試みます。

 しかし、コンパクトマンション市場は、大手マンションデベロッパーの参入により競争が激化。
 そこに、建築基準法の改正とサブプライム問題の2つのショックが重なります。

 マンション市況は崩壊状態に陥り、2008年3月期の売上は半減し、92億2100万円の当期損失を計上する事態となります。
 棚卸不動産は、549億円(07年3月期)から553億円(08年3月期)と、逆に増加してしまい、在庫処分も出遅れてしまいました。

 不動産市況と金融情勢は、2008年度に入るとさらに悪化。
 同社は、8月に不動産ソリューション事業撤退を含めた事業再構築を発表しましたが、遅きに失した感があります。

不動産ソリューション事業から撤退、コンパクトマンション販売に特化/ダイナシティ
 (株)ダイナシティは7日、不動産ソリューション事業の廃止と開発中の一部プロジェクト中止など事業再構築の実施を発表した。
 不動産ソリューション事業は、2007年3月期に売上高226億円、売上総利益38億円を計上。08年3月期も、売上高85億円、売上総利益20億円を計上し、同社の売上高シェア25%を占めている。しかし、不動産業界への融資引き締めにより、販売先の資金調達が困難となり、決済時期の延期や解約が発生していることから、同事業の廃止を決定したもの。
 同事業の廃止により、09年3月期で予定していた約売上高149億円の減少が見込まれるものの、スタッフ10名を含めた経営資源を、主力のコンパクトマンション販売に移管することで、業績向上を図る。
 同時に、景気動向に左右されやすい富裕層向けの高級マンション分譲や予定収益をあげることが困難な21プロジェクトについて、事業続行を中止する。なお、これらの実施による09年3月期業績への影響は、今後精査の上、発表する。(不動産流通研究所08/07)


 同社は、500億円を超える債務と棚卸不動産を整理するため、民事再生法を申請せざるを得ませんでした。

ダイナシティの株価

 ダイナシティ株は、経営の混乱と発行株式数の多さから、長期的なじり安傾向が続いていました。


 直近では100円台をつけてから、400円台まで戻していました。



 ダイナシティは、2001年12月12日に上場し、公募価格34万円(現換算:10,303円)に対して、初値は46万円(現換算:13,939円)でした。
 最高値は、2004年10月5日の59,800円です。

 当時は「分割バブル」状態で、新興企業を中心に、株価を上げるため分割を繰り返す企業が多々ありました。
 同社も04年3月26日に3分割、04年9月27日に11分割を行っています。

参考書籍

 ダイナシティ全盛期は、投資用マンション購入がもてはやされた時期でもあります。
 少し古い本ですが、マンション投資を理解する上では分かり易いです。
book
  • 橋本 一郎
  • 定価 : ¥ 1,575
  • 発売日 : 2004/01/08
  • 出版社/メーカー : 明日香出版社
  • おすすめ度 : star (9 reviews)
    starわかりやすい指南書
    star儲ける極意?
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    star投資用マンションの買い方。
    starドボンな提案…

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  • 日向野 利治
  • 定価 : ¥ 1,575
  • 発売日 : 2004/05
  • 出版社/メーカー : すばる舎
  • おすすめ度 : star (2 reviews)
    star大家稼業のノウハウ。
    starオーナーの視点から書かれている良書

参考記事

08.11.06東証2部上場のノエルが破産-建設・不動産恐慌(13)

08.11.04ジャスダック上場の山崎建設が倒産-建設・不動産恐慌(12)

08.08.18東証1部上場のアーバンコーポレイションが倒産-建設・不動産恐慌(4)

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