2008.11.27
東証1部上場オリエンタル白石倒産-建設・不動産恐慌(16)
東証1部上場のオリエンタル白石が11月26日に会社更生法を申請し、倒産しました。
今年に入ってからの上場企業の倒産は、29社目です。
これで、2002年の上場企業倒産の戦後最多記録に並んだことになります。
オリエンタル白石:会社更生法の適用申請 負債605億円
東証1部上場の建設業中堅、オリエンタル白石は26日、東京地裁に会社更生法の適用を申請し、受理されたと発表した。負債総額は605億円。資材価格の高騰や金融危機に伴う景気後退に加え、金融機関の融資姿勢の厳格化で資金繰りに行き詰まった。帝国データバンクによると、今年の上場企業の倒産は30社に達し(上場廃止後を含む)、02年の29社を抜いて年間件数の戦後最多を更新した。
オリエンタル白石の前身であるオリエンタル建設は1952年創業で、コンクリート橋建設を得意としていた。08年9月中間連結決算では1800万円の最終黒字を計上し、通期で4年ぶりに黒字転換する見通しだった。
しかし、「建設業や不動産業に対する金融機関の評価が低い」(オリエンタル白石)ため、今月末に必要とされた運転資金の一部について金融機関が新規借り入れや借り換えを拒否。筆頭株主である太平洋セメントからの支援も得られなかった。東京証券取引所は12月27日付で同社株を上場廃止する。(毎日新聞11/26)
上場廃止後に破たんしたエー・エス・アイを加えれば、今年の上場企業倒産は30社となります。
オリエンタル白石の財務状況をみると、08年9月の中間決算時点では、総資産891億円に対して有利子負債は159億円と他の建設・不動産企業と比べると健全な方です。自己資本比率も17.1%と、08年3月末(15.9%)より改善していました。
オリエンタル白石の破綻は、10月以降の金融情勢の激変が、いかに凄まじいものであるかを示しています。
オリエンタル白石の軌跡
オリエンタル白石は、プレストレスト・コンクリート(PC)橋梁の総合建設業者です。近年は、マンション・ホテル工事や海外橋梁工事も受注しています。
2007年10月1日に、東証1部上場の「オリエンタル建設株式会社」と東証2部上場の「株式會社白石」が合併して、新体制が発足したばかりでした。
オリエンタル建設の軌跡
オリエンタル建設は、1952年10月に設立しました。当初の社名はオリエンタルコンクリート株式会社です。同社は、1952年に日本で初めてのコンクリート製(PC)枕木を製造したことでも知られています。
その後、同社は保有するPC技術と工法を生かし、全国各地に鉄道橋・道路橋を建設していきます。
大阪万国博覧会モノレール軌道や東北新幹線の架道橋、本州四国連絡橋などを施工し、日本の公共事業拡大の波に乗って、同社の業容も拡大しました。同社は、1990年4月にオリエンタル建設株式会社に社名を変更。
1995年4月に東証2部への上場を果たし、1996年9月には東証1部へ指定替えとなります。
1997年3月期には年間売上900億円を計上しています。
白石の軌跡
白石は、ニューマチックケーソン工事の最大手企業です。同社の前身は、1933年に設立された白石基礎工業合資会社です。
創業者は、ケーソン工法の先駆者で土木工学の大家である白石多士良(たしろう)氏です。
同社は白石基礎工事株式会社に法人改組し、橋梁・道路などの土木基礎工事を主体に、業容を拡大していきます。

特に地下鉄関係における特殊技術に強く、営団地下鉄や大阪地下鉄、発電所建設等を施工しました。レインボーブリッジ建設にも携わっています。
同社は1983年の創業50年を期に「株式會社白石」へ社名変更。
さらに、1991年1月に店頭公開を果たし、1997年2月には東証2部へ上場します。1998年3月期の年売上高は682億円となりました。
公共工事減少、合併、破綻
日本の公共事業は、バブル崩壊後の景気対策対策をピークとして、橋本内閣以降の「財政構造改革」路線に従って年々減少してきました。オリエンタル建設・白石ともに事業の主体は公共工事ですので、国の方針転換により業績が漸次悪化していきました。
両社は、局面打開のため、合併を選択します、
オリエンタル建設と白石:10月1日付の合併で合意
オリエンタル建設と白石は26日、10月1日付の合併で合意したと発表した。
オリエンタル建設を存続会社として、白石は解散する。合併比率はオリエンタル建設1.00に対し白石0.30。合併により発行する新株数は未定。
26日終値は、オリエンタル建設が前営業日比2円安の402円、白石が同変わらずの160円。合併比率から理論株価を計算すると、オリエンタル建設の終値402円から算出した白石の理論株価は120円となり、逆に白石の終値160円から算出したオリエンタル建設の理論株価は533円となる。(ロイター07/01/29)
オリエンタル建設はコンクリート橋上部工事を得意とし、白石は橋梁下部工に定評があります。
両社の合併により、橋梁の上部・下部の一体施工が可能となり、公共事業受注が他社より優位に立てるとの目論見でした。

当初、合併により売上高1000億円を計画していましたが、2008年3月期の年間売上高は858億9100万円にとどまり、減損損失やリストラ経費等もかさみ97億9300万円の最終赤字となってしまいました。
翌年度の業績は堅調に推移し、第2四半期決算では上方修正して、従来の赤字予想から黒字転換も期待されていました。
しかし、10月30日に破産したノエルに対する4億円の焦げ付きが発生し、再び切迫した状況に陥ります。
同社は、更生法申請直前にも事業所統廃合策を発表し、生き残りを模索していました。
オリエンタル白石、地方拠点を統廃合-関東・近畿に事業集中
オリエンタル白石は都市圏への事業集中のため、地方拠点の統廃合に乗り出す。営業支店のひとつである新潟支店を18日に営業所に格下げする。10月末には富山、岐阜、三重の各営業所を廃止した。今後も工事が少ない地域の拠点の統廃合を検討する。統廃合に伴う余剰人員は工事現場や部材の生産現場などに配置転換する。
東北(仙台市)、東京、建築(東京都千代田区)、名古屋、大阪、福岡の6支店体制は維持する考えだが、それらの傘下にある営業支店や営業所は仕事量に応じて統合や廃止を進め、組織のスリム化を図る。一方で、相対的に公共工事が多い関東、近畿圏に事業の軸足を移していく。
拠点の統廃合によるリストラは行わない方針。受注残の工事が豊富で施工能力がひっ迫気味なことから、地方拠点にいる技術系職員は現場に回すなどして、施工能力を高め、工事消化に努める。(日刊工業新聞11/18)
同社の努力もむなしく、10月以降、金融情勢は一段と悪化していきます。
11月末の資金繰りのメドが立たない状況となったことから、11月26日に会社更生法を申請し、倒産するに至りました。
オリエンタル白石の株価
オリエンタル白石株は、年初から200円台で推移していました。8月中旬以降、崩れましたが100円台はキープしていました。
同社株は、下落後、120円~150円でもみ合っていましたが、倒産発表日の11月26日に大きく下げました。情報が漏れた可能性もあります。


オリエンタル建設株は、1995年4月5日に上場し、初値は1,340円(現換算:1218円)でした。その後も上昇し、1996年1月5日に、最高値2,250円(現換算:2,045円)を記録しています。
その後、株価は振るわず、白石と合併して「オリエンタル白石」となってからも回復することはありませんでした。

なお、同社株は1996年3月26日に1対1.1の分割を行っています。
参考書籍
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参考記事
08.11.14氷河期の住宅産業-官製不況の最中に到来した世界不況08.10.21東証2部上場の井上工業が破産-建設・不動産恐慌(11)
08.10.15東証1部上場の新井組が倒産-建設・不動産恐慌(10)
08.07.07東証1部上場の真柄建設が倒産-凍てつく建設業界


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去年の早期退職対象者です(今年の夏までは契約社員として在籍していました)。
オリ白の話題は見ないようにしていたので、倒産のニュースは今週に入ってからようやく知りました。リストラで業績は上向き云々と今年の工事部安全会議(夏期休暇中に工事部員を集合させて発表会とかやるんですよ)で云っていたのに…と思って匿名掲示板見ていたら、むべなるかな。なるべくしてなった、というべきでしょうか。結局のところ、リストラはただの延命措置にすぎなかったのですね。できれば最後まで社員として在籍していたかった。放り出されたのでそれさえも果たせませんでしたが。
更新: 2008.12.2 9:01:24 by 365
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更新: 2008.12.29 16:08:04 by オリエンタル白石株式会社(東証1部 東京都千代田区)会社更生法適用を申請 11月26日 | 倒産.com