2008.12.16
ジャスダック上場松本建工倒産-建設・不動産恐慌(18)
ジャスダック上場の松本建工が12月15日に民事再生法を申請し、倒産しました。
今年に入ってからの上場企業の倒産は、32社目です。
北海道の建設業者の倒産としては過去最大規模(2位は1994年に負債130億円で倒産した中菱菊谷建設)となります。
松本建工が民事再生手続き開始申し立て
松本建工は15日、札幌地裁に対して民事再生手続き開始を申し立てたと発表した。負債総額は134億8900万円。
これを受けて、ジャスダック証券取引所は、2009年1月16日に松本建工株式の上場を廃止すると発表した。12月16日からは整理銘柄に指定する。
住宅建築請負などを手掛ける松本建工は、建築・不動産業界の低迷などから2008年3月期に当期赤字を計上するとともに有価証券報告書に継続企業の前提に重要な疑義が存在すると注記された。その後、取引先からの回収要請が厳しくなり、金融機関に対して資金支援を要請するなど経営努力を続けたが、資金繰りに行き詰まったという。(ロイター12/15)
松本建工の軌跡
松本建工は、北海道の大手住宅メーカーです。同社は、全国の工務店をグループ化してFP(フレーム・パネル)工法による高気密高断熱住宅を展開しております。
創業
松本建工は、1970年に現在の代表取締役社長である松本節也氏により、建築請負業として創業されました。1974年に法人化して現在の社名となっております。
1980年代に独自工法の開発を進め、1985年には硬質ウレタン断熱パネルを使ったFP工法を確立します。
発展
当初FP工法住宅は、同社が札幌圏のみで販売・施工していましたが、間もなく全国に拡販されました。同社はFPグループを組織し、1986年には北海道、1987年には東日本(東北)と広げていきます。その後も、九州(1990)、中・四国(1992)、関東(1994)、西日本(1995)と全国展開していきました。

1995年12月にはジャスダック市場への上場を果たします。1996年には、同社のFP軸組工法で特許を取得。
1997年3月期には、売上高約183億円を計上します。
さらに、翌年には本社社屋を新築するなど絶頂期を迎えます。
苦境から破綻へ
1997年以降、日本の戸建て着工件数は減少に転じます。
松本建工の業績の伸びも頭打ちとなりました。
松本建工は局面打開のため、2003年より札幌市南あいの里地区の分譲事業に乗り出します。

この事業は、札幌市北方のJR学園都市線あいの里教育大駅南側を開発、総開発面積49ヘクタール、総区画数1,104戸の大規模宅地分譲事業です。
2007年から本格分譲を開始しましたが、景気悪化と建築資材の高騰により販売不振に陥ります。
さらに、保有地の含み損が膨らんだことで、2008年3月期決算において、巨額の当期純損失の発生を余儀なくされ、監査法人から「継続企業の前提に重要な疑義が存在している旨の注記記載」を付されてしまいました。
同社は、金融情勢が悪化するなか、来年2月期限の社債や借入金返済資金5億円のメドがつかず、今回の民事再生法申請に至りました。
後始末
破綻会見の中で、同社の松本社長は、主要事業を東証1部上場で外壁材大手のニチハへ譲渡する方向で交渉していることを公表しております。関連会社を含めた従業員357人の雇用継続も要請しているそうです。
ニチハ側も交渉の事実を認めております(PDF)。
建設不況がさらに悪化しており、交渉がまとまるかは不透明ですが、上場企業でありながらいきなり破産し、従業員を全員解雇して、経営を放り投げる経営者に比べれば、はるかに責任ある態度と言えます。
松本建工の株価
松本建工株は、出来高が乏しい閑散銘柄でした。年初は300円台をつけていましたが、建設不動産企業の危機が続く中、同社株も大きく下落していきました。

破綻直前には60円台まで低迷していました。
出来高はせいぜい1万株程度で、インサイダーを云々する水準ではありません。
流動株自体ほとんど存在してないのでしょう。


松本建工は1995年12月22日に上場し、初値は2,870円(現換算値1,594円)でした。
最高値は、4800円(現換算値3,200円)ですが、1996年12月18日、19日、26日、1997年1月31日の複数回付けています。

なお、同社株は1996年3月26日に1.2分割、1997年3月26日に1.5分割を行っています。
参考書籍
著者/訳者:松本 節也
出版社:ダイヤモンド社( 1997-10 )
定価:¥ 1,680
単行本 ( 232 ページ )
ISBN-10 : 4478330670
ISBN-13 : 9784478330678
著者/訳者:南 雄三
出版社:日本実業出版社( 2004-09-09 )
定価:¥ 2,520
Amazon価格:¥ 2,520
単行本 ( 270 ページ )
ISBN-10 : 4534037996
ISBN-13 : 9784534037992
参考記事
- 08.12.01東証2部上場モリモト倒産-建設・不動産恐慌(17)
- 08.11.14氷河期の住宅産業-官製不況の最中に到来した世界不況
- 08.09.22ジャスダック上場のHuman21が倒産-建設・不動産恐慌(6)
- 08.08.27東証1部上場の創建ホームズが倒産-建設・不動産恐慌(5)
- 08.03.05建設業界の悪夢-たった一つの法改正がGDPを押し下げる








松本建工株式会社 (ジャスダック上場 北海道札幌市東区)民事再生法適用を申請 12月15日
北海道内の建設業者としては過去最大の倒産だそうです。
ジャスダック上場松本建工倒産-建設・不動産恐慌(18) | 投資経済データリンクに会社の経緯などが非常に詳しくまとめられて…
更新: 2008.12.29 10:46:26 by 倒産.com 自己破産、民事再生法、会社更生法の対象企業を紹介
[...] 道内の建設業者としては過去最大の倒産だそうです。 ジャスダック上場松本建工倒産-建設・不動産恐慌(18) | 投資経済データリンクに会社の経緯などが非常に詳しくまとめられています [...]
更新: 2008.12.29 10:52:54 by 松本建工株式会社 (ジャスダック上場 北海道札幌市東区)民事再生法適用を申請 12月15日 | 倒産.com