2009.02.23
東証2部上場、小杉産業が破産-老舗アパレルの衰弱死
東京証券取引所2部上場の小杉産業が2月16日に自己破産を申請し、倒産しました。
今年に入ってからの上場企業の倒産は、8社目です。
同社は、全国の百貨店・スーパーに940の売り場を擁し、1340人(契約社員込み)の社員を抱える老舗アパレルですが、ここ10年ほどは経営悪化が続いていました。
社長の「時代の変化に対応できなかった」というコメントが象徴的です。
小杉産業が破産手続き 老舗アパレル、負債97億円
ゴールデンベアなどの衣料品ブランドで知られる老舗アパレルの小杉産業が16日、破産手続きの開始を東京地裁に申し立て、開始決定を受けた。同社によると、負債総額は約97億円。
小杉産業は、平成14年1月期から経常赤字が続く中、経営再建や支援スポンサー探しに取り組んできたが、金融危機による信用収縮の影響で資金繰りのめどがつかなくなったという。
河野光輝社長は16日、記者会見し「(販売を頼っていた)百貨店の売り上げが減ったが、時代の変化に対応できなかった」と語った。百貨店などの店舗は今後1カ月程度は続け、ブランドなどを引き継いでくれる企業を探す。(フジサンケイビジネスアイ02/16)
小杉産業の軌跡
小杉産業は125年の歴史を持つ老舗アパレルメーカーです。
「Golden Bear」、「AUSTIN REED」「GARACE JUNO」、「Jantzen」などのブランドで各種カジュアルウェアの製造・販売を行っています。「Golden Bear」だけでも全国300店舗以上の百貨店・スーパーに展開しています。
創業
小杉産業は、1883年(明治16年)に函館で創業した織物商が源流です。企業体としては、1943年に東京市日本橋区で小杉産業株式会社として設立しています。
発展
小杉産業はメリヤス製品を主製品とし、昭和20年台から40年代にかけて営業網を全国に拡充していきます。その後同社は、カジュアルウェア、スポーツウェアの製造販売に事業を転換し、米国ブランドの国内導入により、さらに業容を拡大しました。
アパレルメーカーとしての知名度を高め、1985年1月に東証2部に上場を果たします。
翌1986年1月期には、814億円の売上を計上していました。
苦境、そして破綻
同社のビジネスモデルは、百貨店・スーパーを主な販売チャネルとしてきました。百貨店の売上が漸減するに従って、同社の業績も衰退していきました。
2002年1月期に経常損益が赤字転落すると、今回の破たんまで8期連続で経常赤字となっています。
最終損益は、1999年1月期から赤字が続いていました。
2006年1月期は最終黒字となっていますが、これは固定資産税売却益6.46億円と有価証券売却益2.7億円によるものです。
経常損益は5.3億円の赤字ですので、業容が回復したものとは言えません
業績が悪化する中で、何度か「再建計画」を実施しますが、業績は回復せず、2005年1月期には約67億円の巨額損失を計上。34億円もの債務超過に陥りました。
この時点で、同社は自主再建を断念し、企業再生ファンドのジェイ・ブリッジがスポンサーとなって再建を試みました。
しかし、ジェイ・ブリッジによる再建もわずか2年で頓挫します。
2007年4月には、経営権はジェイ・ブリッジから伊藤忠系の投資ファンドへ移転していました。
伊藤忠が小杉産業の再建支援、系列ファンドがTOB
伊藤忠商事が25%出資するレゾン投資事業有限責任組合は22日、企業再生ファンドのジェイ・ブリッジ傘下で経営再建中の小杉産業に対し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。TOB価格は1株70円で、レゾンは55%を上限に小杉産業株を取得する。取得総額は約56億円を見込んでいる。TOB成立後、伊藤忠が小杉産業の再建に全面協力する。
小杉産業はTOBに賛同を表明。ジェイブリッジも保有する小杉産業株40.89%をすべて応募する。TOB期間は3月23─4月19日。TOB成立後も小杉産業の上場は維持する方針。
業績が低迷していた小杉産業は、2005年5月にジェイ・ブリッジに第三者割当増資を実施。財務体質の健全化や事業の選択と集中などを進めてきた。今回のTOB成立後は、生産や仕入れ部門を中心に伊藤忠から人材を受け入れるほか、伊藤忠の協力を得て物流の効率化や販路拡大を進める。レゾンによると、伊藤忠は小杉産業への出資も前向きに検討しているという。 (ロイター07/03/22)
しかし、業績は回復することなく、売上は低迷し赤字はさらに拡大していきました。
資金繰りにも窮し、第3のスポンサーも探しましたが結局見つからず、長い社歴に終止符を打ちました。
小杉産業の株価
小杉産業株は、古くからの仕手株・材料株としても有名でした。2005年のジェイ・ブリッジ支援の際も、一時400円超まで急騰しました。
しかし、増資の過程で発行株数が2億株にまで増加したため、値動きも徐々に重くなり仕手株としての魅力も薄れていきました。
2007年3月22日のレゾンによる支援発表時には、122円の高値を付けましたが、結局1日も保たず、値崩れしていました。
その後も株価は低迷を続け、昨年12月以降は、8~10円のボックスで推移していました。
株価は、既に倒産状態でした。それでも倒産直前の2月12日に7円を付けいるのは、何か予兆があったのかもしれません。
同社株の最高値は1990年3月2日と3月5日の1,720円です。
なお、同社株はかつては業績向上に伴って毎年のように分割を行っていました。
57/01/31に1.5、58/01/31に1.2、59/01/31に1.25、61/01/27に1.2、62/01/27に1.1、63/01/28に1.1、64/01/28に1.1、65/01/28に1.08、66/01/27に1.08、67/01/27に1.04、69/01/28に1.1、70/01/28に1.1、71/01/28に1.1、71/04/22に1.002、73/01/27に1.1、74/01/28に1.1、78/01/27に1.1、79/01/27に1.1、80/01/28に1.1、80/04/16に1.1、80/06/02に10分割、81/01/28に1.1、83/01/27に1.2、89/01/27に1.2分割しています。
参考書籍
著者/訳者:繊研新聞社 繊研新聞=
出版社:繊研新聞社( 2009-01 )
定価:¥ 1,600
Amazon価格:¥ 1,600
単行本 ( 247 ページ )
ISBN-10 : 4881242148
ISBN-13 : 9784881242148
図解入門業界研究 最新ファッション業界のトレンドがよーくわかる本 (How‐nual Industry Trend Guide Book)
著者/訳者:為家 洋子
出版社:秀和システム( 2007-09 )
定価:¥ 1,470
Amazon価格:¥ 1,470
単行本 ( 227 ページ )
ISBN-10 : 4798017655
ISBN-13 : 9784798017655
参考記事
- 08.10.15東証1部上場の新井組が倒産-建設・不動産恐慌(10)
- 08.08.22低価格シフトが進む衣料品-インフレ下の消費低迷に対する価格戦略
- 08.08.05世界中を移転する生産拠点-繊維業で見るグローバリズムの進展
- 08.06.02トスコ(東証2部)倒産-設立98年目老舗企業、DPF開発騒動の果ての破綻劇
- 07.11.15不況感強まる、ワンピースが景気悪化を暗示する








倒産して当たり前
社員の年棒粉飾決済商品が売れてるように見せ掛け
もともと人の名前ニクラウス熊くだり当たり前
更新: 2010.02.1 10:21:54 by たつや
もともと安物ブランド,小杉がなくても,服があり。
更新: 2010.02.1 14:05:58 by ふくじ
時代の流れ! そんな問じゃね。ュニクロさん、やってるじゃねーか。
小杉がなくても服はある。
更新: 2010.02.1 18:14:11 by たつなり
金色の熊、いるわけねーじゃねーか。
安物ブランド、(安物買いの銭失い)、
更新: 2010.02.1 18:24:32 by 断つなり