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2009.05.07

小康状態の市場-回復の予兆か「偽りの夜明け」か

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 このところ、株式市場が堅調です。

 相場は、昨年9~11月の狂乱期から、2~3月の再下落を経て、ようやく落ち着きを取り戻しつつあります。

米国市場

 NYダウは、3月6日に6496.95ドルの最安値をつけていました。
 その後反転し、昨日は4ヶ月ぶりに8500ドルを回復しています。

NY株、8500ドル台回復=景気底打ち期待で4カ月ぶり高値
 6日のニューヨーク株式相場は、米雇用情勢の改善を示す指標を手がかりに反発し、ダウ工業株30種平均は前日終値比101.63ドル高の8512.28ドルで引け、終値としては今年1月9日以来、約4カ月ぶりに8500ドル台を回復した。ハイテク株中心のナスダック総合指数は同4.98ポイント高の1759.10で取引を終えた。
 朝方発表された米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が集計した4月の米民間就業者数は、前月比49万1000人減。市場予想に比べて減少幅が小さく、雇用情勢の改善を示す内容だったため、米景気の底打ち期待が広がり、買いが先行した。(時事通信09/05/07)

NYダウ1年チャート_080506

 米VIX指数も30台にまで下落しています。
米VIX指数_090506

日本市場

 日経平均株価も、3月10日に7021.28円の直近安値をつけていましたが、その後反転。
 ゴールデンウィーク明けには、再び9000円台を回復しています。

東京株続伸 4カ月ぶり9000円台回復 上げ幅一時300円超
 連休明け7日午前の東京株式市場は、米株式市場の回復を受けて続伸し、日経平均株価は4カ月ぶりに9000円台を回復して始まった。上げ幅は一時300円を超えた。
 日経平均株価の寄り付きは前週末終値比124円98銭高の9102円35銭。東証1部全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は12・08ポイント高の858・93。
 大型連休で日本市場が休場する間に、米国市場では株価が大幅に上昇。金融不安に対する投資家心理が改善され、幅広い銘柄で買いが広がった。(MSN産経ニュース)

日経平均1年チャート_080507

「本格回復」か「偽りの回復」か

米国

 バーナンキFRB議長は、米国景気は今年後半には回復に向かうとの見通しを示しています。
 もっとも、「回復」と言うより、「下げ止まり」といったニュアンスのようです。

米経済の景気回復、今年後半にもと予想 バーナンキFRB議長
 米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は5日、米経済の現状に触れ、「底を打った感があり、今年後半には景気回復に向かう」との見通しを示した。ただ、回復の歩みは遅く、慎重な対策が必要との認識を見せた。
上下両院合同経済委員会の公聴会で述べた。消費者の支出動向に加え、住宅市場が安定化の兆しを見せ始めていることなどを根拠にした。
しかし、失業率や金融情勢は当面、厳しい局面が続くとも指摘。企業投資はあくまでも緩やかに回復するだろうと予想した。
 米国の国内総生産(GDP)が今年の第1四半期、マイナス6.1%となったことには失望感を表明しながらも、今後のGDPについては企業が在庫処理に動くことからマイナス率が緩和すると見込んだ。(cnn.co.jpi09/05/06)


日本

 白川日銀総裁は、景気の先行きに対する楽観論に対して、「偽りの夜明け」という表現で警鐘を鳴らしています。

「偽りの夜明け」を本当の回復と見誤らない注意必要=日銀総裁
 白川方明日銀総裁は23日、日本がバブル崩壊後に何度か一時的な景気回復局面を経験したことを踏まえ、「偽りの夜明け」を本当の回復と見誤らないよう注意する必要性を強調した。
 ニューヨークで「経済・金融危機からの脱却:教訓と政策対応」とのテーマで行った講演で述べた。
 日銀が24日に発表した講演の邦訳によると、白川総裁は「日本経済は1990年代の低成長においても、何度か一時的な回復局面を経験したが、このことは経済がついにけん引力を取り戻したと人々に早合点させる働きをしたように思う」と指摘。その上で「これは『偽りの夜明け』とも言うべきものだったが、人間の常として、物事がいくぶん改善すると楽観的な見方になりがちだ」と述べ、一時的な回復を本当の回復と見誤ることに警鐘を鳴らした。<-後略->(ロイター09/04/24)


欧州

 トリシェECB総裁は、2010年の景気回復を予想しています。
 しかし、極めて婉曲な言い回しに終始しており、希望的観測の域を出ません。
 これは、欧州各国の経済認識・対策についての不協和音を反映しているのでしょう。

ECB総裁:ユーロ圏の早期の景気回復を予想せず
 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は24日、ワシントンでの20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議終了後の記者会見で、ユーロ圏が早期に景気回復することはないだろうとの見通しを明らかにした。同総裁は「景気悪化は鈍化しつつあると思うが、それは少なくとも欧州において、急速に」経済が成長過程に戻ると「予想していることを必ずしも意味しない」と語った。同総裁はまた、2010年の「景気回復のためにわれわれはあらゆることを行うだろう」と述べた。 (ブルームバーグ09/04/25)


 現在の世界経済の落ち着きは、昨年末から今年年初にかけて、各国が行った大型経済対策の効果によるものでしょう。

 主要国政府が、この状況を本格回復と見誤って財政政策を緩めてしまうと、かつての日本のように長期低迷となります。

 現時点では、政府側や実体経済従事者には楽観論は見られません。まだ悲観論が大多数でしょう。
 政策担当者が手綱を弛める兆候は、今のところないようです。

 むしろ金融市場に楽観論が広がりつつあるのが懸念材料と言えます。
 今次世界大不況の元凶は金融市場の暴走ですが、今回の小回復局面においても実体経済から乖離した挙げ句に自己崩壊して、実体経済回復の足を引っ張る危険があります。

参考書籍

なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学

著者/訳者:池尾 和人 池田 信夫

出版社:日経BP社( 2009-02-19 )

定価:¥ 1,785

Amazon価格:¥ 1,785

単行本 ( 304 ページ )

ISBN-10 : 4822247236

ISBN-13 : 9784822247232



サブプライム後の新世界経済~10年先を読む「経済予測力」の磨き方~

著者/訳者:中原 圭介

出版社:フォレスト出版( 2009-03-05 )

定価:¥ 1,575

Amazon価格:¥ 1,575

単行本 ( 256 ページ )

ISBN-10 : 4894513331

ISBN-13 : 9784894513334



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