2009.05.08
底這う鉱工業生産-セーフティネット頼みの経済
鉱工業生産指数が、6カ月ぶりに「プラス」に転じました。
鉱工業生産:1.6%上昇 半年ぶりプラス
経済産業省が30日発表した3月の鉱工業生産指数(05年=100、季節調整済み速報)は前月比1.6%上昇の70.6と、6カ月ぶりにプラスに転じた。中国向けの電子部品生産など外需に改善の動きが見られることが要因で、「生産は急速に低下している」としていた基調判断を4カ月ぶりに見直し、「生産は停滞している」に変更した。
同省は「企業が減産を拡大してきた状況に変化が出ている」と分析するが、「指数は依然低水準で、まだ底を打ったとは言い切れない」と慎重な見方を崩していない。
業種別では、全16業種のうち6業種で生産が改善。電子部品・デバイス工業が10.3%上昇、一般機械工業が5.6%上昇、自動車を主力とする輸送機械工業が2.3%上昇など、主に輸出関連の分野で増加傾向が目立った。在庫指数も3.3%低下の100.1と3カ月連続で改善した。
同省は4月は4.3%上昇、5月は6.1%上昇と回復傾向が強まると予測している。<-後略->(毎日新聞09/04/30)
「プラス」と言っても、水準を見れば全く喜べません。
生産指数は、半年間で▲30%以上も下落しており、自立反発するのは当然でしょう。
問題は復元力ですが、「力強く反発」とはお世辞にも言えません。
仮に経済産業省の予想通り4月5月と回復しても生産指数は78.1で、バブル崩壊後の最悪水準を下回っています。
在庫循環図では、3月になってようやく在庫減少局面に入りました。
かつてない深い谷底に転落した生産がどこまで回復することができるのかは未知数です。
大恐慌を防いでいる政府のセーフティネット
昨年9月時点の日本の総就業者数は6393万人で、そのうち1142万人が製造業に従事しています。仮に、生産指数の減少分がダイレクトに雇用へ反映した場合、約370万人の労働者が失業します。
昨年9月時点の完全失業者数は266万人、完全失業率は4.0%ですから、単純合算で失業率は9.6%に跳ね上がります。
影響は、当然他業種にも波及しますので、失業率は2桁に達するのは確実でした。
しかし、今年3月時点の完全失業者数は335万人、完全失業率は4.8%です。失業者数は大きく増加していますが、「雇用崩壊」までは至っていません。
これは、政府による雇用のセーフティネットが寄与しているためと考えられます。
但し、雇用崩壊は封印されているだけであり、経済が非常事態であることには変わりありません。
生産の落ち込みの規模を考慮すれば、経済が常態に戻るには数年単位の期間が必要でしょう。
参考書籍
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単行本(ソフトカバー) ( 285 ページ )
ISBN-10 : 4822247449
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著者/訳者:神永 正博
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単行本(ソフトカバー) ( 272 ページ )
ISBN-10 : 4887596995
ISBN-13 : 9784887596993
参考記事
- 09.01.30「大恐慌」を示唆する鉱工業生産指数-底が抜けた経済指標
- 09.01.08劇症的に広がる生産調整の動き-需要収縮と在庫急増に慌てる産業界
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