手術直後
HCUという部屋に運ばれた。
とにかく寒かった。
それは、想定内なので、電気毛布がかかっていた。
妻が、入ってきた。
夜の8時30だよ、長かったねと言っているが、時間の感覚がよくわからない。
どこか痛いところや苦しいところないと言われるが、切ったところは全く感覚がない。
むしろ、尿管と鼻チューブの違和感が気になる。
特に尿管は、残尿感が激しい。昔に尿管結石に罹ったことがあるが、あの時の違和感をパワーアップしたような感じだ。
看護師さんにも訴えたが、尿自体はちゃんと流れているし、男性は慣れるまで時間がかかるとのこと。
奥さんも、あまり重大でもなさそうな訴えだったので、かえって安心したようだ。
程なく奥さんは帰り、私はこの部屋で一晩過ごすことになった。
今の態勢はこんな感じだ。
①鼻から胃までのチューブ
②酸素マスク
③胸のポートから点滴
④背中から痛み止め(エピドラ)
⑤左腕から点滴
⑥右手人差し指に酸素測定器
⑦左右の足にマッサージ器
⑧右手で握るナースコール(命綱)
看護師は1時間30分毎に、容体の確認と血圧測定にやってきた。
看護師から、ベッドから起き上がらなければ、床ずれ予防に体を動かしたり、寝返りした方が良いと言われるが、正直、チューブだらけで難しい。
それでも、腸閉塞予防には積極的に体を動かした方がいいことを思い出し、ベッド横の手すりを掴んで、必死に体を動かす。
正直なところ全く眠れなかった。
まず、喉に痰が絡んで苦しい。
全身麻酔で人工呼吸をするため、手術中に喉の奥までチューブを突っ込んでいたためだそうだ。
鼻と尿のチューブの不快感のピークは、午前0時ごろか。それまでは、看護師に毎回泣きをいれていた。
試行錯誤して、体の向きで多少は緩和できることがわかると少し楽になった。
少しでも、眠ろうと安定剤を入れてもらったが、逆に気分が悪くなり中断した。
体温は目まぐるしく変化した。
最初は、寒くてたまらず布団に電気毛布だった。
そのうち、体温が38度を超えて、電気毛布から布団2枚にして氷嚢もらった。
今度は、頭が冷えて体が熱くなり、普通の枕と薄い布団にしてもらった。
こうして、もがいているうちに朝がきた。
★★できればクリックお願いします。★★ →
関連する記事
- 2012年11月6日 手術翌日-HCU脱出
- 2012年11月9日 手術後4日目(原発摘出)-尿管抜き
- 2012年11月8日 手術後3日目-ポート再挑戦
- 2014年2月22日 肺転移摘出手術-入院4日目(手術翌日)
- 2012年11月16日 手術後11日目(原発摘出)-点滴抜去と退院予告