肺転移摘出手術-入院3日目(手術当日)



 手術当日。
 薬のおかげで、ぐっすり眠ることができた。
 今朝もいい天気だ。
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 今回は、立会は妻のみ。
 手術は、ほぼ定刻通り8時45分から開始だ。
 手術室はさほど寒くなく、前回のような震えはない。
 手術用の小さなベッドに寝たが、足元に暖房が入っているらしく温かい。
 仰向けに寝ると、左腕に点滴針刺したり酸素マスクを付けたりテキパキと準備に入る。
 それでは眠くなりますよの声がした直後、意識がなくなった。


 気が付いた時には手術終了。
 何か問いかけがあったようだが、なんだかよくわからない。
 ベッドに乗って運ばれていくうちに、少しずつ意識がはっきりしてきた。

 今回はHCUに入ることなく直接病室に戻る。
 体にいろいろな器具が取り付けられているのがわかる。
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 右脇腹にはドレーン、尿管。鼻には酸素管。
 胸には心電図計。指先に酸素計。
 足にマッサージ器。

 脇腹のドレーンのせいで、体は動かしにくい。
 まだ麻酔が効いているのか、痛みは殆どない。
 心配していた尿管は、残尿感のような違和感は若干あるが、痛みはない。
 これなら前回のように大騒ぎするほどでないので、一安心だ。

 妻から、手術の結果の説明を受ける。
 手術は成功。がん細胞とその周りの組織を部分切除した。
 今回は写真を撮っていて、赤い肺の組織の中に白い塊がはっきり見える。
 これがガンだそうだ。大きさは1cmぐらいか。
 なお、手術中の簡易組織検査では、大腸がんの転移とのこと。
 肺がん原発でないので、ほっとする。
 詳細検査による確定は約1か月後だが、ほぼ大丈夫だろう。

 午後、埼玉からわざわざ妹親子が見舞いに来てくれた。
 肺を手術したばかりなのに、結構話しができると驚いていた。

 夕方になり妻もホテルに戻り、一人でうつらうつら。
 手術直後ということもあり、看護師が頻繁にバイタルチェックに来る。
 このころから、右肩が痛みだしてきた。
 傷口ではなく、肩から肩甲骨にかけてが痛む。
 看護師の説明では、右脇腹を切開するため、右手を上げた状態で長時間固定するするため、術後に肩が痛くなることが多いそうだ。

 そして、問題の夜がきた。
 全く眠れない。
 こんな時のためにと、ipadで音楽を聴くが、痛みが強くて気がまぎれない。
 右肩の痛みに加えて、長時間仰向けで寝ていたため、腰と背中全体も痛みだしてきた。
 深夜になり、耐え難くなってきたので、肩に湿布を貼ってもらう。
 その時には若干楽になったが、しばらくすると効果も薄れてくる。
 なんとか痛みを和らげようと、ベットの縁を掴んで体を動かすが、今度は心電図計の警戒音が鳴り響く。
 看護師に直してもらうが、外れやすくなったのか、動いたことで異常な値を拾うのか、時々鳴るようになってしまった。

 夜半を過ぎても痛みが治まらない。
 看護師も心配して、座薬を使ったらどうかと聞いてきた。
 お願いして入れてもらう。
 この薬は効いたらしく、20分後ぐらいには、若干楽になってきた。
 ようやく、僅かな間だが、寝ることができた。



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