鎌先温泉(一條)と蔵王-紅葉始まる
今週が私の誕生日だったので、妻の発案で高級旅館の一條に行くことになった。
台風時期だが、その合間をぬっての旅行だ。
鎌先温泉の歴史は600年。
1428年に農民が水を探している際に温泉を発見、源泉を鎌の先で探しあてたので「鎌先温泉」になったと言われている。
古い温泉の伝承だと、○○上人が見つけたとか、神の使いのカラスが導いたなどが多いが、こちらは非常に世俗的な開湯伝説だ。
一條は、鎌先温泉でも最も歴史ある旅館だ。
桶狭間の戦いで敗れた今川義元の食客が湯治したところ傷が癒えたので、そのまま旅館を開き初代となったそうだ。
平家の落武者伝説が残る温泉も多いが、その戦国バージョンと言ったところか。
その鎌は一條に残っているとのこと。
サービスの質も良く、旅館ランキングでも常連になっている。
出発
天気が良ければ早めに出発して蔵王経由も考えたが、あいにく小雨交じりなので無理せず旅館直行にした。昼食後に一服して、午後2時に家を出る。
高速では雨は殆ど降っておらず、道も空いている。
途中の国見SAで小休止し、白石ICで降りて20分程走ると鎌先温泉に到着。
1時間+αなので近いものだ。
鎌先温泉の入口に一條の専用駐車場があるので停めて、旅館に連絡。
電話をかけている途中で旅館の送迎車が目の前に現れる。
たぶんあらかじめ待機していたのだろうがグッドタイミング。
直ぐに乗り換えて、旅館に向かう。
一條到着
鎌先温泉は、5件の宿しかない小規模な温泉街だ。道は一本道で、狭い急な上り坂が続く。
確かにこれでは一般客が昇り降りしたら大混乱だ。
一條はその一番上にある。
乗り換えて数分で到着。
ちなみに看板は昔の旧館時代のもの。
エントランスでお茶とお茶菓子(ずんだもち)を頂き、部屋に案内される。
部屋は和洋折衷で、なかなかいい感じ。
床は板張りでベット。部屋風呂もある。
窓側の小上がりが「和」になっていて、掘りごたつがポイント高い。
早速、温泉に入る。
一條では、温泉は2つある。
一つは開業当時からの源泉のもので、1階にある内風呂。
こちらが「キズの鎌先」と言われるものだ。
もう一つは、新しい源泉で内風呂と露天がある。
ともに男女固定制で、24時間いつでも入れるとのこと。
まずは、由緒ある方へ。
泉質は、ナトリウム塩化物硫酸塩泉。 源泉は26度と低温なので沸かし湯ではあるが、加水・循環・ろ過等は行っていないので、いわゆる「源泉かけ流し」の範疇にある。
洗い場が3か所でそれほど広くはない。
男湯からは外の景色が見えるが、女湯は見えなくなっている。
なかなかいいお湯だ。
湯船内に段差があり、足湯・半身浴・全身浴の何れもOKだ。
湯温は適温なので、ついつい長湯になってしまう。
次に新湯の方。
こちらは2階が男湯、3階が女湯と完全に分離している。
宿では「美人の湯」と言っていた。
泉質は弱アルカリ性湯で、前の湯より温泉成分は若干少ない。
こちらも沸かし湯で、加水はないが循環・ろ過は行っているので「源泉かけ流し」の定義からは外れる。
湯音は、内湯は熱め、露天はぬるめ。
露天の雰囲気はなかなか良い。
一人静かに湯に浸かるには絶好の場所だ。
夕食は18時30分から。
食事場所は旧館だ。
旧館は、大正から昭和にかけて建てられ、とても風情がある建物だ。
窓ガラスも当時のものだそうで、よく見ると歪みがわかる。
部屋は個室でテーブル席になる。
いよいよ、食事。
とても旨い。
なかでも、フォワグラ大根が絶品。
表面の焼き加減が大根の柔らかさにマッチして、食感が素晴らしい。
もちろん、その他の料理も旨い。
流石、一條。皿もなかなか風情がある。
食後、一服してもう一度温泉に入る。
その後、マッサージ。全身45分コースにしたが、揉み加減が丁度よく殆ど寝ていた。
すっかり眠くなってしまったので、いつもより早めだがそのまま寝てしまった。
蔵王へGO
朝は、まず温泉に入り、朝食。朝食は、2人で和洋頼んでシェアした。
旅館の洋朝食はほぼパターン化していることが多いが、こちらでは、焼きたてのクロワッサンが良かった。
表面のカリカリ具合が香ばしい。
旅館でゆっくり過ごし、チェックアウトは10時。
鎌先温泉での天気が良く、青空も見えたので、蔵王へ行ってみることにする。
途中の遠刈田温泉で小休止。鎌先温泉から20分程と近い。
こちらもいい温泉で、前に別邸山風木に泊まったことがあるが、今回は少し温泉街をブラブラするにとどめる。
ただ、天気は悪くなり、小雨交じり。
蔵王エコーラインに入ると、雲中となり視界不良で前が良く見えない。
たまには面白いが、妻には今ひとつウケない。
まあ、道も広いし通行量も少ないのでそれほど危険はない。
ただ、バイクや自転車、フラフラ歩く人がいるので、その点は注意だ。
登るにつれて、紅葉もチラホラ見えてくるが、霧ではっきりとは見えない。
蔵王寺で一旦休憩。写真を撮るが今ひとつ。
その後も雲の中だったが、蔵王ハイラインの分岐近くになると、急に視界が晴れる。
そこには、日を浴びて紅葉が映えわたる情景が。
これが見たかった。
山の神の思し召しか。
前の車のスピードが格段に落ちる。そのうち駐車場でもないのに車を停めて写真撮影。
気持ちはわかるが、少し危ない。
少し先の蔵王ハイラインの入口に駐車場があるので、そこに車を停めて景色を楽しむ。
そこから、車を数十メートル走らせると、また雲中に逆戻り。
さっきの雲の切れ目は、蔵王のサービスタイムみたいなものだった。
エコーラインを山形県側に更に進む。
このあたりは「神湿原」と呼ばれ、道路に近く木道も設置されて、高山植物の紅葉が手軽に楽しめるところだが、あまり良くは見えない。
時節柄、観光バスが多く、少しペースが落ちたが、12時前に目的地の蔵王温泉(山形)に到着。
ここから、ロープウェイに乗る。
ロープウエイでは、中腹駅経由で山頂付近まで行けるが、中腹駅からは霧で見晴らしが良くないとのことで、取り敢えず中腹駅まで行くことにする。
出発駅は海抜850mだが、1300mまで一気に登る。
途中から山形市内も見えてきて絶景だったが、すぐに雲の中に入り見通しが悪くなり少し残念。
中腹駅付近の見晴らし台へ行ってみたが、はじめはそこそこ見通しがよかったが、雲の動きが激しくて直ぐに周りが見えなくなった。
それでも20分ほど高原の雰囲気を味わって外界へ戻る。
昼食は、ロープウェイ駅近くの「ぷうたろう」というレストラン。
妻が今日のイチ押しの煮込みハンバーグ、私がハンバーグカレーを頼んだが、料理はしっかりしていて良かった。
「ぷうたろう」とは変わった名前だなと思ったが、調べてみるとフィンランド語で「木の家」とのこと。
帰宅
食後、帰宅の途につく。一旦、麓の山形市内に降りると、天候が回復してのどかな秋晴れの陽気になっていた。
しかし、山形道に乗り、山形と宮城の県境まで来ると一転して雨。
東北道に入っても雨は続き、結局、郡山まで雨だった。
蔵王温泉14時発で郡山16時着、約2時間強と思ったより早かった。
この2日間で約400kmは走ったが、特に運転には支障がなくてよかった。
昨年の今頃は、がん発覚・手術と大変だった。今年はゆっくり紅葉狩りしたいものだ。
★★できればクリックお願いします。★★ →
関連する記事
- 2013年4月13日 温泉来訪-高湯温泉玉子湯
- 2013年7月15日 銀山温泉(瀧見館1泊)-のんびり温泉旅行
- 2013年2月10日 手術後、初めての温泉(磐梯熱海温泉ー清稜山倶楽部)
- 2013年3月16日 温泉来訪-東北原温泉
- 2013年10月14日 紅葉めぐり-安達太良山