ワインツアー参加



 友人から誘いがあり、日帰りで勝沼へワインツアーへ行ってきた。
 今回の目的地は、勝沼でも最も歴史あるワイナリーの鳥居平今村(創業1877年)だ。

 日帰りといっても、新宿発着で現地ディナーなので新宿22:30着予定なので、当日は東京泊だ。

 11:00に新宿出発。少し遅目だ。
 直ぐにワインが振舞われる。胃腸の調子は万全とは言いがたいが、美味しく頂く。
 ほどなく、昼食。
 弁当は、ちゃんとシェフが作ったものだそうで結構豪華だ。
 ワインツアー昼弁当
 少し混雑もあったが大きな遅れもなく勝沼到着。

ワイン講座
 まずは、スライドを交えワイン講座。
 元々はソムリエ向けの資料で、説明するのもソムリエなので、かなり本格的だ。
 勝沼ワイン、特に鳥居平の優位性の説明。
 日本は、ワイン向けのぶどう栽培には適さない風土なのだが、鳥居平は例外的に好条件が揃っている。

 気候風土。
 南西向きの斜面のため日照時間が長いこと。
 斜面が急なため、水はけがいいこと。
 富士山からの冷風が「笹子おろし」となって常時吹き下し、夏の気温が上がり過ぎないこと。
台風の直撃が少ない場所であること。
土壌が粘土質で礫が多いこと。

 次に栽培方法。
 モグラやミミズが多数いる肥沃な畑であること。
 これは、3代目の今村英勇氏の努力の賜物なのだろう。
 ぶどうの収量を意識した間引きや笠かけなど、他国のぶどう農家から「クレイジー」と言われるほどの手間。
 職人技というべきものである。

 話を聞いただけで、すっかりワイン通になった気分だ。
 3代目と4代目の話も聞くことができた。
 4代目は今村英香氏で、ワインのブランド名(キュヴェ・ヒデカ)にもなっている。
 3代目の今村英勇氏は、頑固一徹の職人のようなイメージだったが、結構ジョークも多く気さくな人柄だ。

見学
 ついで、工場見学と畑の見学。
 ワインを充填するこの装置はイタリア製で3000万円。
 瓶にもタンク側にも高圧(1.2~1.5気圧)の窒素ガスを充填し、空気に触れないように圧力差で瓶詰めを行う装置だ。
 ワイン工場
 そして畑。
 ぶどう畑
テイスティング
 ひと通り勉強会が終わったところでテイスティング。
 全部で8銘柄。ソムリエがそれぞれの銘柄を解説してくれるのでわかりやすい。
 
白ワイン 品種「甲州」
  • 2010鳥居平今村 勝沼ブラン
  • 2008鳥居平今村 鳥居平キュヴェ・ヒデカ
  • 2008鳥居平今村 鳥居平キュヴェ・トラディション
  • 2008鳥居平今村 鳥居平上菱平圃場
  • 2004鳥居平今村 キュヴェ・ユカ
赤ワイン 品種「ブラック・クイーン」
  • 2008鳥居平今村 勝沼ルージュ
  • 2009鳥居平今村 鳥居平ルージュ
  • 2004鳥居平今村 キュヴェ・ユカ・ルージュ
 それぞれ個性があるのが楽しい。同じ年の同じ品種でも味が全く違うものもある。
 どれも良い味だが、中でも別格なのが「キュヴェ・ユカ2004」。
 英香氏の話によれば、3代目がかなり早い段階から「今年(2004年)は最高の年になる」と騒ぎ、普段は買い付けしない農家からも契約し、大量にぶどうを購入しハラハラしたそうだ。
 3代目の予感は的中し、2004年は天候に恵まれて近年では最高のヴィンテージとなり、良いワインを造ることができた。
 販売するにあたって、丁度その年に生まれたお孫さんの名前をつけてユカというブランドにしたとのこと。
 実は、後付だったのが面白いところだ。
 なお、このワインは3代目からお孫さんが成人するまでは、出荷を控えるよう厳命されているそうだ。

ワインセラー
 良い感じに酔ったところで、今村会長のご自宅の地下にあるワインセラーを見学。
 戦前のワインや個人所有のものなどが、相当数並んでいる。
 宝物が眠るちょっとしたダンジョンのようだ。
 
地下セラー入口
 
地下セラー

ディナー
 レストランにもどり、いよいよディナーとなる。
 ツアー主催者の尽力とオーナーのサービスで、今回の予定にないビンテージワインを飲ませて頂くことになった。
 1950年の白と1939年の赤。
 日本にこんな古いワインがあったのかと驚き。
 開封はイケメンソムリエが行う。
 周りで、写真や動画を取っているので、かなり緊張の様子だったが、無事に開封の儀が終了。
 ワイン開封
 これが1950年産の白ワイン。
 1950年産ワイン  ワインはさほど詳しくないが、それでも他のものとは味がまるで違う。

 そして1939年産の赤ワイン。
1939年産ワイン  甘みと酸味が交じり合って、さらにほのかに燻製のような味わいを感じる。複雑な味だ。

 主催者は都内でワインレストランも経営しているが、店で出すとすれば1杯ウン十万円とか。
 私のようなワインの素人が飲んでもいいのでしょうか、という感じだ。
 強引に奥さんを連れてくればよかったかなと少し後悔。

 料理も、地元素材を主体にしたもので、なかなか良い味をだしていた。
 前菜は、穴子をミルフィーユ仕立てにしたもの。
 ミルフィーユ風穴子  メインは、勝沼牛ステーキ。「鳥居平」にちなんで鳥居の形になっているのが凝っている。
 ディナーメイン  他の皿もなかなかバラエティ豊富だった。

 かなり飲み過ぎてしまったが、普段飲めない良いワインを飲めていい旅になった。


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